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鹿島アントラーズ 上田綺世の一芸

Jリーグではなく、世界に出て活躍しようというのであれば、全体的なレベルが一定以上の水準であり、なおかつ一芸に秀でていなければならない。


上田綺世は、まさにその一芸を持つ選手であり、Jリーグの日本人ストライカーでは、
最も大きなスケールを感じさせてくれる選手である。


Jリーグ第32節、清水戦の今季10得点目のゴールは彼の良さが光ったゴールであった。
先日のマリノス戦でも見事なトラップから素晴らしいゴールを決めていたが、今回のゴールは、私にとってはそれ以上のゴールであった。


ファンアラーノが中盤でフリーでボールを持った時、清水ディフェンダーはそちらに意識が向く。
その一瞬の隙に、僅かに外に膨らみ、ディフェンダーの死角を取り、次にボールを受けるための体の向きを整える。
そしてパスコースを指差しながら、一気にトップスピード。
ボールを受け、キーパーを冷静にかわし、ゴールに流し込んだ。
状況判断が抜群。この動きについていく事は、簡単ではないだろう。


動き出しの鋭さに置いては、昨年の南米選手権で対戦したチリ🇨🇱代表のディフェンダーすらも初見では彼を掴みきれてはいなかった。


彼は使われるタイプのストライカー、今後海外移籍した時などは、周りとのコミュニケーション、連携も大切になってくるだろう。
ただサッカーIQの高い選手だけに、様々な逆境も乗り越えていく事だろう。
ヨーロッパでの戦いを是非見てみたい。

Jリーグ第32節 鹿島対清水 エウシーニョの技巧

サッカーという競技をよく知っている選手というのは、試合の行方を左右する。
両チームの中でサッカーを知っている選手と感じるのは、鹿島ではボランチを
務めるレオシルバだが、今回はエスパルスの右サイドバック、エウシーニョにスポットを
当てて見ようと思う。
エスパルスが好調な時には、エウシーニョが躍動しているイメージがある。
近年のサッカーでは中央のプレッシャーは厳しく、サイドから攻撃の起点を作っていく戦術も大切。
エウシーニョに注目していると、いくつかのポイントに気づく。
①相手からプレッシャーをかけられても、簡単にバックパスをする事はない。
味方とのワンツー、個人のテクニックなどでうまく相手のプレッシャーを掻い潜る
鹿島は前線から人数をかけてプレッシャーをかけて来る。うまく外せば逆にチャンスは
生まれる。
よく見ていると、エウシーニョを起点にチャンスが生まれていることが多い。
②ポジションの取り方。右サイドバックというポジションだが、状況に応じて中に入る。
周りの選手をうまく使いながら、ボールを動かす。時には逆サイドまでのラン。
フリーマンのような動きをする事で相手は掴みにくいだろう。
③フィジカルの強さ、基本技術の高さ。
個人技術があってこそ①②が生きる。さすが元フロンターレの選手。
敵に寄せられても慌てる事はない。


総括
エウシーニョが、個人戦術やチーム戦術の中でどういう意図を持ってゲームを作っているかという観点で見ると面白い。
サッカーという競技、もちろんボールを追って見るのが通常だが、オンザボール、オフザボールに関わらずあえて1人の選手の動きに注目して見るのも悪くない。

ACL準々決勝に見るFK考察

昨夜のACL準々決勝では、ヴィッセル神戸の古橋享梧の素晴らしいFKが、
乗り切れないチームを救いました。
この試合からFKにおけるいくつかの考察を書き記そうと思います。


①古橋のFK
試合後の本人の談話で、ドウグラスからのアドバイスがあったという話。
ただ、しっかりと壁の下を通し、ゴールの隅へコントロールしたキックの技術が素晴らしい。流れのプレーの中でも、随所に見せるキック技術の高さが表現できた。
また、その前のドウグラスの蹴ると見せかけての跨ぎにも注目したい。
サッカー経験者なら分かると思うが、キーパーからして、左右どちらのキッカーが
ボールを蹴るか読めないというのは、実に難しくなる。
壁の作り方、上下左右へのシュート予測、自分の間合いで備える事も簡単ではない。


② ①を踏まえてのヴィッセル側の対応
後半16分 ヴィッセルPA前、水原のFK。キッカーはイキジェ。
前半の得点の後だからこそ、自軍の壁の後ろにきっちりと選手を配置。
足を開いて、飛んだ壁の下を抜かれないように備えていた。
左足で強烈なシュートを放つも、ドウグラスの顔に当たってはじかれる。
この時のドウグラス、その横のフェルーマーレンの勇敢さが光る。
強烈なシュートに対して、体全体が全く正対した状態で対応。
ボールに対して、顔面に当たるまで目を逸らさずに完璧なブロック。


③ ②を踏まえての考察
後半26分 キッカーはコサンボム。
右足で強烈なボールを蹴り込むも、ペナルティエリア手前の中央で壁となっていた古橋が体に当てて守る。
しかしこの時は、古橋はシュートに対して横を向いてしまっている。
壁と壁の間に隙間ができてしまった。
シュートが壁の間を抜ける事もあるし、体に当たったボールがリフレクションで
ゴール方向に飛んでしまう可能性も高くなる。
結果的には、シュートブロックできたが、世界と戦う上では、このような
細かい対応も命とりになる場面だった。


総括
3つのFKを取り上げたが、セットプレーはサッカーの見所の1つと言える。
1つの試合の中で流れとして見るのも興味深い。
また別の機会に、コーナーキックやスローイングも取り上げていきたいと思う。