ゴールキーパー論① 驚愕の走行距離
ゴールキーパーというと、プレーヤーの中で唯一手を使えて、ゴールを守るのが主な仕事である。
そのため、試合中にボールが来た時以外あまり動いていないから、それほど走っていないと思われる方もいるだろうが、実はそうではない。
特に現代のサッカーにおいては、キーパーがペナルティーエリアを飛び出してプレーする機会も多く、その走行距離は以前に比べて伸びている。
例えば2018年のロシアW杯で1番走ったイングランドのキーパーは、グループリーグ3試合で全て1試合あたり5キロ以上走り、さらに延長戦120分戦った決勝トーナメント1回戦では、7キロ以上を記録している。
また、現在ヴィッセル神戸でプレーする飯倉は、前所属の横浜Fマリノス時代は、1試合の90分間で6キロから7キロ走っていた。
マリノスのポステコグルー監督のサッカーは攻撃的と言うが、その理由が分かるデータでもある。
この距離というのは、ペナルティーエリアを飛び出して守備をしたり、ディフェンスラインのパス回しのサポートに入ったり、前方でのフリーキックを蹴りに行ったりとする距離である。
つまり、チームの戦術と密接に関係している。
2017年4月16日に開催されたJリーグ・FC東京と浦和レッズの試合では面白い試みが行われた。
この試合を放送したNHK(BS1)は、
「徹底マーク!ゴールキーパー」
と題し、ゴールキーパー(GK)の視点を中心とした中継を行なった。
ご覧のような映像で、ボールを追うのではなく、キーパーの後ろからのカメラや、現在のデータなどを流し続けるという革命的な中継であった。
この時にプレーしていたFC東京の林や浦和レッズの西川が、動きの多いキーパーであることもそれを行った理由だろう。
興味深い中継だったが、その後は実施されてはいない。
是非また見てみたい企画である。
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